さて、いよいよ、冬本番を目の前に、ちらほら雪が降ってきました
今日この頃・・・、本格的な冬を迎える前の
何気ない “ 秋田らしい風景 ” に、先日、ふと僕の目が止まりました。
この写真を見て、「なんとも、汚い畑だな〜〜〜」って思った方も多いはず。
きっと、その感覚が正しいかもしれないし、自然かもしれない。
ちなみに、この畑、我が家の畑なんですが、
ただただ無造作に、散らかし放題にしてるわけではなくて・・・、
この雑多に見えてしまう風景ってのは、来年のこと(来年の畑、来年の土、来年の収穫)を想って
作り出されている風景であり、大きな意味で言うと、これも「農業のデザイン」だと言えます。
収穫した大根の食べられない部分の葉っぱや、白菜の食べられない部分、
そして、精米所からもらってきた米糠を、畑全体にバランスよく撒いただけのこの風景。
これから降ってくる雪の下で、じっくりじっくり一冬かけて土の栄養となっていく
そんな、来年のこと(来年の畑、来年の土、来年の収穫)を想って出来上がっていた風景。
きっと、これが雪国・秋田の何気ない知恵であり、生きる経験値としての風景。
そして、こんな知恵や生きる経験値としての風景が、
何気なく無意識に観えてしまっているのも、この季節の特別なことであり、豊かなこと。
きっと、雪国・秋田に暮らす僕らというものは、
こんな雑多ながらも豊かな風景に、無意識に「安心」していたりすること(自分)に気づけていません。
社会にとって、綺麗に整えられた風景のデザインももちろん大切なことだけど、
こんな知恵や生きる経験値が作り出した雑多で自然な風景こそ、
静かにも僕らの心を、安らかに包み込んでくれているやさしい風景なのではないか・・・と
僕の母が何気なくデザインしていた畑を目の前に、思い耽るわけであります。
ではでは、国語・算数・理科・デザイン! (投稿:澁谷和之|澁谷デザイン事務所)