冬が明ける直前に、古本屋の爺さんと自然公園に出かける。
熊よけの電気柵は撤去されて、普段行けない雪原を超えていく。
舗装された道路が雪で覆われて一面が真っ白になる。
道がなくなったことで縦横無尽に行き来する。
誰のものでもない自由な白いキャンパスのように、
足跡を筆のように線を描く。
歩みを進めると、先客がいたようで、たくさんの足跡があった。
カモシカ、きつね、たぬき、うさぎなど動物たちが駆け抜けていった跡が広がる。
だれのものでもない自由な雪原だと思っていたけど、
そこには明確に人と動物の境界線があったようだ。
「ここは人の境界を超えている。動物たちの場所に入ってきてしまったようだね。」
ポツリと爺さんは語って、人の境界線に向けて踵を返した。
道路はなくても、そこに動物たちの道はある。
見えない道が身の回りには実はひろがっているのかも。
ではでは、国語・算数・理科・デザイン! (投稿:柳澤 龍|ドチャベンジャーズ)