僕の出身は、現在の秋田県美郷町にあたる、旧「仙南(せんなん)村」であり、
そんな「仙南村」での義務教育を受けた先に、今こんなデザインを考える人間に至るのだけれど。
その後、平成の大合併を機に、その仙南村の中学校であった「仙南中学校」も統合となり「美郷中学校」へ。
つまり元々「仙南中学校」だった立派な校舎は、次の使用用途を求められた末に、
「仙南小学校」として、その校舎の存続の危機を免れたわけなのだけど・・・。
そんな旧「仙南中学校」校舎であった、現「仙南小学校」の校舎に
つい先日、足を運ぶ機会があったのだが・・・
そこで、僕がふと目にしてしまったもの(観察せずにはいられなかったもの)・・・
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校舎敷地内に立っていた、あるサイン看板に目にしたもの・・・
「仙南中学校」の「中」の字の横棒2本が削り取られて、
あたかも「小」の字らしきデザインに姿を変えられているというこの光景、この始末。
この看板を目の前に、呆然としている僕の姿をみて
たまたま通りがかって話しかけてきてくれた近所の知り合いのお兄さんが、
「あーそれね・・・。他のいろんなところの看板も、そうして『中』を『小』にしてるみたいね」
と、苦笑いしながら教えてくれた。
少子化にともなう、どうにもならない社会の問題として挙げられる
「地域合併・学校統合」のことは、僕も十分に理解できるし、しょうがないことだろうと思うけど、
こういった何気ないサイン看板一つ一つのデザイン・仕上げを
大人の都合的なところで、適当に仕上げて、済ませて良いものだとは、僕は思わない。
新しいランドセルに、新しい真っ黄色の帽子を被った、新しい一年生を迎え入れるべき
きちんとしたサイン看板のデザインが、義務教育の始まりである場には求められると僕は思う。
「横の棒2本消したら、『小』になるじゃん! ラッキー! 新しい看板を作る経費が浮いたわ!」なんて、
ふとした思い付きで、こんな統合の後始末を平気でしてしまう(平気でできてしまう)
次世代に対する社会(デザイン)の “無責任さ” に僕は呆然としてしまうし、
こうした小さな何気ない日常のデザインに対する社会の意識・視線を教育することこそが
本事業「国語・算数・理科・デザイン!」の使命なのだと、
我が母校、旧「仙南中学校」の門の前で、今一度再認識する自分がいたそーな。
ということで、ここ最近のうだるこの暑さに影響されてか、今日も結果暑苦しい投稿になってすみません。
「大は小を兼ねる」なんて言葉があるけれど、
「中は小を兼ねる」なんて、そんな都合の良い言葉が、教育の現場にあってはいけない。
ではでは、国語・算数・理科・デザイン! (投稿:澁谷和之|澁谷デザイン事務所)