ふと、つい先日、僕(澁谷)の事務所の入口に見た風景。
辺り一面、黄金色の田んぼに覆われ、いよいよ秋が深まっていくそんな中、
まだ、必死に生きている「今年の夏」が、何か助けを求めるかのように
デザイン事務所の壁にしがみついていた。
デザインとは「表現」することのように思われがちだけど、
本来は「受け入れる」「傾聴する(相手に耳を傾けてあげる)」ことだと、
この歳になって、やっと実感として理解できるようになってきた。
日々「デザイン事務所」として働いていると
それはそれは、さまざまな人の、さまざまな言葉・感情を受け入れることになる。
そこには、楽しいこと、嬉しいことはもちろんだけど、
それよりも、辛いこと、悲しいこと、難しいこと、悩ましいこと・・・など
どちらかというと、ネガティブな感情に触れることの方が多いのが本当。
そんな気持ちで、この夏の終わりの象徴とも言える
鳴かない静かな「蝉」を眺めている(観察している)と、
なんとも言えない、放ってなどおけない気持ちに僕はなる。
「いったい、どうしたんだい? 何か悲しいことでもあったのかい?」
なんて、あたかも人にでも語りかけるように、蝉に語りかけてしまう・・・
そんな「気持ち・感情」こそが、デザインの本質だと僕は信じている。
突然、40歳オーバーのオッサンが、
壁に張り付いた蝉に向かって「おい、お前、どうしたんだい?」なんて
話しかけている光景・風景は、なんとも気持ち悪いものだろうけれど、
そんな感情こそ、本事業「国語・算数・理科・デザイン!」という思考の場には
溢れていてほしいと、夏の終わりを目の前にオッサンは願っている。
ではでは、国語・算数・理科・デザイン! (投稿:澁谷和之|澁谷デザイン事務所)